11月17日(水)、大津市社会福祉協議会の皆様と一緒に大津高校で「高齢者体験」の授業をしてきました。
過去2回ほど行かせていただいたでしょうか。
昨年はコロナで開催できませんでしたが、今年は無事に開催できました。
対象は高校一年生。
目的は、「障がい者にかかわる課題について、講話や体験学習を通して理解と認識を深め、
これからの社会のあり方について考えるきっかけとする」ということだそうです。
担当時間は約2時間。
少しでも何か心に残ればいいなぁと思います。
せっかくなので、どんな内容だったか、資料も交えて公開してみます。
この授業の一週間前に「事前学習」をしていただきました。
朝起きてから学校へ行くまでの自分のルーティンを確認し、
自分が障がいを負った時、そのルーティンがどうなるか想像、
困ると思われることを出し合っていただきました。
今の高校生はいわゆる「Z世代」。
生まれたころからインターネット環境が整い、物心ついたころからスマホがあります。
コロナ禍により、オンライン技術も発展、ひと昔前からは想像もできないくらい便利になりましたが、
やはりリアルに勝るものはありません。
オンラインツールなどが発達するほど、リアルの大切さを感じます。
この日の体験を通じて何か少しでも感じるものがあれば嬉しいです。
今回も例年通り「脳疾患後遺症による半身麻痺」の状態を体験。
疑似状態を作るために、大津市社会福祉協議会の方が体験キットを用意して下さいました。
脳梗塞や脳出血による後遺症って、身体の麻痺だけではないことをご存知ですか?
身体的不自由よりも、このような後遺症に悩まされる方やご家族は多いはず。
右半身麻痺の代表的な後遺症である「失語症」。
左半身麻痺に多い後遺症の「左側無視」。
他にもいろいろな症状がありますが、今回はイメージしやすい症状を想像していただきました。
そして歩き方。
リハビリで指導を受けるであろう歩き方を伝え、
途中の階段などは自分たちで考えてもらって校内を回っていただきました。
体験の感想を聞いてみました。
「思っていた以上に動きにくかった」
「視野が狭いので見えにくかった」
「少しの段差でも怖かった」
「介助者として見ていると大したことないように思っていたけど、
実際に自分がなってみると思っていたより大変だった」
「見ていて危なっかしかった」
「階段が大変だった」
たくさん感想を頂きました。
その後、人間が自然に取る動きを妨げると一気に動けなくなることを体験。
逆に言うと、人間が自然に取る動きに合わせると介助しやすいことなど説明しました。
幸寿会ではこのような自然な動きを活かした、生理学に基づいた介助法を実施しています。
ちょうどテレビで弱視の女性が主人公のドラマをやっているので、例として取り上げてみました。
何事も、まずは知ることからスタートですね。
「その人」を知れば、「障がい」と思っていたものがいつの間にか「個性」に変わります。
いろいろな身体状況や環境などが障がいとなることがありますが、
一番の障がいは自分自身の思い込みや先入観だと思っています。
その障がいは「知ること」で解消できる場合も多いと感じます。
Z世代の皆さんが創る未来はどんなものになっているでしょうね。
これからの若い世代に期待です!
おじさんも負けずにがんばりまーす♪