カーサ月の輪では、在宅生活でのお困りごとに対し自宅へ訪問し介護アドバイスを行う取り組みを行っています。
今回、A様より自宅での移乗が大変になってきたとのお話を伺い、ご自宅へお伺いし環境や移乗法などについてアドバイスを行ってきました。
奥様より「ちょっとしたことやけど楽になりました」とのお言葉をいただくことができました。
住み慣れたご自宅で少しでも楽に今までと変わらない生活ができるようこれからもサポートしていきます。
ご自宅での生活でのお困りごとがあれば些細な事でも結構ですので遠慮なくお申し出ください。
1.ご自宅での生活環境と状況
1回目の移乗 車椅子⇒Pトイレ
(移乗後に食事・TV鑑賞)
2回目の移乗 Pトイレ⇒ベッド
(パット交換・就寝)
DSから帰ると車椅子上で上衣類を脱ぎ、ご本人に介助バーを持ってもらい後方から臀部を持ち上げPトイレへ移乗。Pトイレは座位が比較的保てるとのことで、その座位で食事をしたりTVを見たりしておられる。
2.お困りごと
①車椅子⇔Pトイレへの移乗 と Pトイレ⇔ベッドへの移乗
(下肢筋力が低下し移乗介助に大変な負荷が掛かっている)
写真1 写真2
自力では臀部を上げることはできない。介助を行っても立位保持は困難。
「しっかり持ってや、立つで」と声掛け行いながら行われるが、ほとんど臀部上がっておらずスライド気味に少しずつ移動。(写真2)
当日は右傾きが顕著で、奥様だけでは臀部を上にも左右にも動かすことができず、結果、前から抱えて移乗。Pトイレへの座り位置が浅くなってしまう。
4.問題点と改善案の提案
4-1)ベッド柵の高さと車椅子との位置関係
ベッド柵は低くし、車椅子からある程度離した方が良い。前傾姿勢を促し、足に体重を移動させ臀部を軽くするため。
4-2)介助者の立ち位置と荷重の方向性をアドバイス
ご主人の後方に位置し、持ち上げるのではなく、立ち上がる方向(前方向)に押し出すように荷重。一度に移乗しようとせず少しずつ動いていく。
4-3)ベッド柵からテーブルへの変更
面で支える方がより体重移動しやすく、ご本人も恐怖心が薄れる。
4-4)ベッドの高さ調整とスライドボードの使用
移乗方向は基本的に高い方から低い方へ。さらにスライドボードの使用で負担軽減になる。(持参し現物見てもらう)
4-5)Pトイレを使用しない
トイレの機能としては使用されていない。Pトイレ使用しないことで移乗回数減、負担軽減を図る。
車椅子で姿勢保持が出来るように座面クッションの下に板を入れる。また、足台を設置し足の位置もチェック。
(移乗回数増はリハビリとなるが、今の下肢筋力での移乗は奥様の負担増となると判断)